トトロの死神説なんてあったんですね……とある掲示板を見て始めて知りましたよ。
と、いつも異常に脈絡のない言葉から入りましたが、今回は『現実仮想』のあとがき的なものでも。……はい、最初は全く関係ありません。これが後の伏線になるようなこともありません。
今回のブログ小説『現実仮想』にて、本編中初めて流視点から沙李視点になったわけですが……正直、今回はかなり書いていて楽しかったりしました(苦笑)。
僕は小説を書く上で、もっとも楽しんでいたり気をつけていたりするものって、なんだかんだで『心理』だったりするのですよね。心の動きとか、そういうのを書くのが大好きなのです。だからこそ一人称小説ばかり書いているのですけど。
で、困ったことに主人公である流は……ご存知のとおり、感情的なんて言葉が一番似合わないキャラです。無関心の極みみたいなキャラ。当然、心理描写ができるわけありません。出来ないこともないですけど、『興味ない』だの『どうでもいい』だの『だるい』だの、最低の感情表現ばかりなのですよね。
一方で、この作中でトップクラスに感情を表に出すキャラである沙李は、地の文にもやたらと心理的な言葉を組み込めるので、書いていて楽しいです。……や、どちらかというと、流に問題があっただけなのですけどね。『青い鳥』なんて感情論全開な部分ありましたし。
加えて、『電子化』関連の伏線もここで回収できたわけですし。実際問題、その辺の話を彼女の視点で描くメリットはあんまり無いのですけど……楽しく書けた、という意味では大きかったのかもしれません。
……実は最初、ここも流の視点で描こうとしていたのですよね(苦笑)。けど、それだけだと一話の文章量として明らかに物足りないものとなりますから、沙李にチェンジ。ついでに、沙李がその戦いで感じていたこともついでに描くことにしました。それなら、文章かけますからね。
…………本当は、彼女が考えている『ナガレ』の呼び方に関してはまだ描かなくても問題ないですけどね(苦笑)。ただ、これを書かないとエンカウントモンスター戦での行動に違和感が出てきてしまいそうだったので……。……余計に混乱を招いただけかもしれませんけど。
そういえば、『電子化』に関する伏線とか『ナーくん』と呼んだこととかもそうですけど、僕の小説ではこういった感じで伏線を張ることがかなり多いです。何気ないことが、主人公たちは気付いていないだけでとんでもない部分だった……とか、しょっちゅう使う手法。特に『気付かせない』なんていうのは、僕の中では一番使いやすい手法です。
小さな部分では、『沙李が魔物を蹴ったら少しだけ浮いた』ということが、『流が魔物の攻撃を受け止める』という動作のヒントになっていたり。……誰が気付くんだ、こんなの。
『ジュエル』『青い鳥』でも例外ではなくて、すでにこれでもかと言うほど残してます。終わったはずの『青い鳥』にさえ、こんな感じの伏線があるくらいですから。
何気ない一言や、当たり前になっているような文字や姿が、後に物語に大きく関わってくる、とか。……それが何気なすぎて、読み返してもらわないと忘れ去られていたりすることもあるのですけどね(苦笑)。
……だからこそ、『現実仮想 14』は沙李の視点で描く必要があったのかもしれません。以前の短編で伏線っぽい作りにしてしまったのも、どうにかしたかったですしね。あんな番外編を重要な位置に持ってくるのもどうかと思っていましたし。
……いつの間にか、あとがきが創作論っぽくなっているような気が……ついでに、よく考えてみたら『現実仮想』関連のあとがきで記事一つ使うの、久しぶりでしたし……。
…………どれだけ、この話のあとがき書きたかったんだよ、僕……。