あれだけ忙しいとか言っておきながら、なんだかんだで読み終わりました。『黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王』。それも、ゆっくり時間を見つけて読む予定だったのに、今日の早朝4時に。……なにやってんだ、僕。
まぁ、そんな時間になるまで黙々と読みふけっていたのですから、そうとう引きつけられていたということになるのですけどね。相変わらず、すごい作品ですよ。黄昏色の詠使い。イマサラ僕が言う必要も無いですけど。
しかし……今回の話、異常なまでに謎を残してくれましたねぇ……。早く次を読みたいという声が多い理由も、よくわかりましたよ。
で、こういった謎があると、どうも本をゆっくりと読むタチの僕は、あれこれと考えてしまうわけで。今回の話でも、いくつかの推測は立てたりしましたが……ハッキリ言って、自信がまるでありません。
当たり前ですが、僕の推測はなかなかに的はずれで、謎が多すぎると本当にグダグダな推測しかしないのですよね。それこそ、ひぐらし然り。
そのうえ、この物語はやはりセラフェノ音語が関係してるでしょうから、そちらの方面を知らなければまるで話になりません。さて、どうしましょうか。
とりあえず、今のところ二つほど自分なりに考えたりしましたけど……絶対にはずれていると断言できます。
と、言っておきながら、僕の検証をどう思われるかも気になるため……意見は聞いてみたいわけで。なので、『More』で隠しておきます。一応、ネタバレもありますからね。
とは言っても、僕が考えているのは二つだけなのですよね。なので、それについて。
まず、エッグの中身について。
今回の話で語られている通りなら、全色対応出来るというものですが……強制的に名詠出来る原理についてはともかく、どんなものなのかを考えてみました。
これ、中身は『ガラス玉』みたいな、色のないものではないでしょうか?
そもそも、透明なものは、物質を透かせば何色にでもなるものですよね。これなら、どんな色としても使えるでしょうから。で、エッグの外殻によって力が押さえられるという意味。これ、純粋に『色が閉ざされる』からなのではないでしょうか?
で、もしこれが力を押さえるものの正体なのだとしたら……中身は、必然的に『光を取り込むもの』となってくると思います。
前から思っていたのですが、この作品ではちょくちょく五色の説明の中で『可視光線』という単語が出てくるのですよね。人間に見える色。でも、本当は光には見えないけれど、ちゃんと色が存在します。
あ、逆でも可能ですね。透明ではなく、全ての色を持つもの。『光を放つもの』ということも考えられます。
ただ、『光を吸収するもの』である方が、強制的に発動するという意味ではしっくりくるのですよね……というのが、個人的な意見です。
次に、名詠式の本質、について。
本作の中で、本質を決定的に見逃している、とありました。なら、それはどこなのか……そう考えると、ふと思ったことです。
『名詠式は、本当に召喚術なのでしょうか?』
ということ。……捻くれてるかもと、自分でも思いましたが、そこがそもそもの疑問だったのですよね。
召喚には、同色の色が必要。そして、一度つかった触媒は次以降使いづらくなるという点。
この辺りがどのように関係するのかは分かりません。ですけど、僕の中で一つの仮説を立てるなら、名詠式は召喚している訳ではないのでは、ということ。
……つまり、最初からその場にあるけれど、誰も見ることが出来ていないだけ。
物質、生物を喚ぶのに同色が必要なのは、『色を付ける』のと同じ事なんじゃないでしょうか?
この謎についても、可視光線という単語があったから、推測に繋がったわけですけどね。
けど、こっちの方は、まるで自信がありません(苦笑)。なので、意見が欲しかった訳ですけどね。
追記
コメント欄にてルーラーさまが『緋色の背約者』のことが気になっているとおっしゃっていたので、考えてみました。
……とはいえ、現状はどうとも言えないのでは? というのが素直な感想なのですよね。第一、彼女がどのようなことをしたのか、描写がいっさい無いのですから。ただ、クルーエルと関係がある、というのは確かでしょうけど……。
ただ、クルーエルについては、あの異常なほどの能力について、「こうかな?」というのが浮かんできました。やはり推測の域を脱していませんが……この考え通りなら、ひょっとして……と、ふと思ってしまったのですよね。
ですが、これはちょっと突飛すぎやしないか、とも思っているので、その辺はご了承ください。
まず、クルーエルの異常。あれに、僕はちょっと見覚えがありました。とある切っ掛けからあぁなった、というのが腑に落ちませんが……。
あれと似たようなものを、大概の読者は見ているのではないでしょうか? 一巻を読み直せば、なんとなく察しが付くかもしれません。
…………名詠無しで強力なものを呼び出す。それって、ネイトが喚び出した『イヴ』と、同じ事をやっていませんか?
そして、もう一つ。
イヴを召喚したということは……この術は、人間も喚べるのでは? 実際、彼女は真精ではあっても、元をただせば人間ですよ? ということは……?
さらに、アーマとイヴ、この二つが同時に存在したとき。そこで起こったのは……それは、一巻を読んだ方なら、すぐにでも思い浮かべることの出来る光景だと思います。
……うん、いくら何でも、これはないよなぁ……。
そんなわけで、「いや、これは違うだろう」という意見があれば、是非お願いします。