昨日の頭痛は、朝こそちょっと響いていたものの、今は普通に治っていました。そこはいつもどおりなので、酷くならなくて良かったな、くらいの感想にしかなりませんでしたね。
……ただ、今日は珍しく、激怒するような事態になってしまいました(一応、周囲からは怒られた方が悪いと言ってくれましたが)。……後から、かなり後悔の念が押し寄せてきて……テンション、駄々下がりです。もともとこういう、大声出したりキレたりするようなキャラじゃないので、気疲れがやばいです。
……人間関係って難しいですね。もともと、こういうのが苦手だというのに……。
さてさて、すっかり忘れていましたが、昨日って七夕だったわけで。……思いっきり、小説のネタにできる内容だったじゃあありませんか。そう思うと、なんか、すっごい損した気分です。
というわけで、思いっきり遅れてしまいましたが、七夕ネタの駄弁り、スタートで。
「……なーんか一日遅れてる気がするけど、今日って七夕……だよね?」
「設定上ならね」
「……うん?」
そう、今日は七夕である。そういう設定。本日は七月七日。間違いなんてない。間違っているのは僕じゃない、作者の方だ!
というわけで、トワも薄々気にはしているけれど、本日、七夕ということにして置いてください。お願いします。じゃないと、『一日遅れで七夕と騒いでいる痛い高校生二人』という図式が完成してしまうのです。……この段階で、作者がかなり痛い気がするけど気にしない。
「こういうの、やっぱり子供の頃が一番楽しめたイベントなんだろうね」
「そう? 私は今でも普通に楽しめると思うよ? まぁ、この歳で願い事も何も合ったものじゃない気がするけどね」
そんな会話を、例によって放課後の教室で交わしている二人。こういうのって、カップルとかだったら絶好のイベントなんだろうなぁと思う。『不幸』とかの苦難を乗り越えた幼馴染二人とかだと、絶対に見ているほうが恥ずかしい展開になっているだろう。
…………。…………。
「……そっちの方が、ネタとしては向いていたんじゃないか?」
「何のこと?」
「いや、なんでもない。独り言だよ。ところで……トワって、何か願いあったりする?」
「私? そうだね……」
人差し指を額に当てて目を閉じ、一頻り「うーん」と悩んでから。
そして、発言。
「天の川が氾濫しますように」
「織姫と彦星にげてぇぇぇっ!」
「笹の葉が全部枯れますように」
「子供たちの夢が!」
「彦星に『絶対遵守の力』が宿りますように」
「死亡フラグ! 織姫の死亡フラグ!」
「笹の葉周辺にヤギが集まりますように」
「短冊を持ってにげてぇぇぇ!」
「天の川を埋め立てる計画が持ち上がりますように」
「織姫と彦星には好都合だけれども!」
「織姫が引きこもりますように」
「彼女の身に一体何が!?」
「とりあえず、笹の葉と短冊は全て燃えてしまいますように」
「既に別の企画と化している!」
「月まで届け、不死の煙」
「違うから! その煙は願いを燃やされた産物だから!」
「U.N.オーエンは織姫なのか?」
「だとしたら彦星はとっくに殺されてる気がする!」
「亡き彦星の為のセプテット」
「彦星いぃぃぃぃぃぃっ!」
「結局、二人なんてなんだかんだで死んじゃえばいいんだよ」
「トワ、お前なにか七夕に悪い思い出でもあるのか!?」
「そんな私の願いは、海賊王」
「散々七夕を汚しておきながら、なんて大きな夢っ!」
「……こんな日がいつも続いてくれますように」
「なんだその願い……って……」
…………。……あー。
ついいつものツッコミのテンションに操られてしまったせいで、彼女の不意打ちにすぐ対応することが出来なかった。……ちくしょう、反則だ。
僕はぷいと外を向きながら、吐き捨てるように呟く。
「……悔しいけど、僕も似たような願いだよ」
「え? なんのこと?」
「おい! それも嘘だったのかよ!」
……すっごい恥ずかしかった。
だけど。トワはそんな僕を見て満面の笑みを浮かべていて。そこに、大きな願いとか、夢とか、そんなもの必要ないように見えたのは、どうしてだろう?
ちょろっと話していましたが、こういう企画って絶対に『青い鳥』メンバー向きですよね……なんで気付けなかったんだろう……。